1. 前提
スタートラインはこうだった。
- 開発者1人。チームなし、デザイナーなし、PMなし。
- 予算100万円。うちサーバー代・広告費・ドメイン代でほぼ消える見込み。
- アイデアはゼロ。「何を作るか」すら決まっていない状態。
武器は3つだけ。
- Claude Code — Anthropic公式のCLIツール。ターミナルからClaude Opusを直接叩ける。
- Rust — メモリ安全・高速・シングルバイナリ。エッジデバイスでもクラウドでも動く。
- ドメイン知識 — 過去に店舗系SaaSを触った経験がある程度。
目標は明確だった。「爆売れするプロダクト」を1日で形にする。
2. タイムライン(実際の流れ)
以下は実際のClaude Codeセッション履歴に基づく時系列記録。盛っていない。
Session 1
アイデア出し
0:00 - 0:30
- 「ラズパイ x Rust x AI で何を作るか」をClaudeに聞いた。
- 3つの候補が出た:AI見守りカメラ、AI翻訳イヤホン、AIスマート農業。
- 最初は農業センサーを推された。正直ピンとこなかった。
- 「在庫なし・工場なし・発送なしで」と条件を追加した。
Claude の回答
「ハードは客に買わせろ。ソフトで月額を取れ。」
この一言で方向性が決まった。ハードウェアの在庫リスクを完全に排除して、既存の防犯カメラに接続するソフトウェアSaaSという形態に着地した。
Session 2
ビジネスモデル設計
0:30 - 1:30
- 「ミルモ」という名前を提案された。Claudeに商標調査をさせた。
- 結果 — 株式会社ウェルモが「milmo」を使っていて完全にNG。危なかった。
- 競合調査:ABEJA ¥16,000/月、Safie ¥6,820/月。「月額¥3,000で誰もいないゾーン」を発見。
- 代理店モデル:「30%ストック報酬」で防犯カメラ業者が売ってくれる設計。
自分 → Claude
「これ本当に売れる?」
Claude の回答
「正直に言うと、24ヶ月で6,150顧客はファンタジーです。まず¥30,000の広告テストで需要検証してください。」
都合のいい答えだけ返されていたら危なかった。このダメ出しがあったから、地に足のついた計画に切り替えられた。
Session 3
実装(並列subagent)
1:30 - 3:00
Claudeに3つの独立タスクを並列で投げた。これがClaude Codeの真骨頂。
- Agent 1:ランディングページ作成(1,147行のHTML / CSS / JS)
- Agent 2:Rustワークスペース構築(4クレート、コンパイル確認済み)
- Agent 3:ビジネスプラン + 代理店プログラム + ピッチ資料
3つのsubagentが並列実行。約5分で全部完成した。
fly deploy で即座に本番デプロイ。https://miseban-ai.fly.dev/ が稼働した。
Session 4
カメラ調査 + 対応ページ
3:00 - 4:00
「対応カメラと価格とリンク全部集めて」とリクエスト。2つのsubagentが並列調査。
- Agent 1:20+ブランド、200+機種のRTSP対応状況、Amazon価格、URL形式を調査。
- Agent 2:日本の店舗カメラ設置率(飲食76%、小売56%等)の市場データを収集。
対応カメラページ(975行HTML)を生成してデプロイ。人力でこの調査をやったら3日はかかる。
Session 5
セキュリティパイプライン
4:00 - 5:00
「オープンソースで安全にCLIだけで全工程」とリクエスト。
- セキュリティツール調査(cargo-deny, gitleaks, trivy, cosign, minisign等)
- 7ファイルを一気に生成:deny.toml、.gitleaks.toml、rust-toolchain.toml、GitHub Actions CI(4ジョブ)、Makefile(15+ターゲット)、release.sh(署名付きリリーススクリプト)
- Rust 1.84.0でビルドエラー発生。Claudeが自動で1.86.0に更新して解決。
Session 6
サイトリニューアル
5:00 - 6:00
- 「信頼できてクールでおしゃれに」で全面リニューアルを依頼。
- ダークテーマからライト+インディゴの洗練されたデザインに刷新。
- 「PC / スマホ / 専用デバイス」の3つの導入方法セクション追加。
- 自社カメラ「ミセバンAI カメラ」のコンセプトセクション追加。
3. 数字で見る成果
6時間で何ができたのか。数字で振り返る。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 総作業時間 | 約6時間 |
| 生成コード | ~5,000行(Rust + HTML + YAML + Shell) |
| ファイル数 | 25+ |
| デプロイ回数 | 4回 |
| subagent実行回数 | 15+ |
| ビルドエラー | 2回(両方Claude自身が修正) |
| コスト | Fly.io無料枠内、Claude Code利用料のみ |
4. Claude Codeの使い方のコツ(学んだこと)
並列subagentが最強
独立したタスクは同時に投げる。LP作成 + Rust実装 + ドキュメント作成を並列で5分。シーケンシャルに頼んでいたら30分はかかっていた。
正直に聞く
「これ本当に売れる?」と聞いたら正直にダメ出しされた。都合のいい答えだけ返されたら、非現実的な計画のまま突き進んでいた可能性がある。
条件を絞る
「爆売れするもの作って」より「在庫なし・工場なし・サブスクで」の方が10倍良い回答が来る。制約は敵ではなく、最良の回答への道標。
ビルド確認させる
コード生成後に必ず
cargo check を実行させた。エラーがあればその場でClaudeが自動修正する。「動くはず」の状態で放置しない。人間の判断は必要
Claudeは「ミルモ」を自信満々に提案したが、商標リスクはこちらから確認を指示した。AIを盲信しない。最終判断は常に人間がやる。
5. 正直な感想
良かった点
- 1人で6時間でここまで来れるのは異常。従来なら2-3週間の作業量。
- 調査の網羅性がすごい。20+ブランドのRTSP仕様を人力で調べたら3日はかかる。
- コードの品質は十分。型定義、エラーハンドリング、テストまで含まれている。
注意点
- 収益シミュレーションは鵜呑みにできない。最初の「ARR ¥3.3億」は明らかに過大。
- ネーミングは人間が最終判断すべき。「ミルモ」のように商標リスクを見落とす。
- 生成されたコードはスケルトン。本番品質にするにはまだ数週間の作業が必要。
- 「全部任せる」は便利だが、各ステップで人間がチェックしないと暴走する可能性がある。
6. 明日やること
- Google広告テスト開始 — ¥30,000 / 7日間で需要を検証する。
- 実カメラでのRTSP接続テスト — Tapo C200とHikvisionで動作確認。
- GitHubリポジトリ公開 — オープンソースで信頼性を担保する。
このブログ記事自体もClaude Codeが書いています。ただし内容は全て事実に基づいており、誇張はありません。実際のClaude Codeとのセッション履歴がそのまま反映されています。