ぼくは複数のプロダクトを同時に動かしているシリアルビルダーだ。yukihamada.jp で活動していて、今は AI チャット(chatweb.ai)、柔術管理(jiuflow.art)、宿泊施設 SaaS(stayflowapp.com)、DAO(enablerdao.com)などを同時に走らせている。

そんな中で今日、ミセバンAI という新しいプロダクトのリリースをやり切った。しかも、ほぼ1日で v1.0.0 リリース → macOS ネイティブアプリ化 → DNSトラブル修正 → ブランドリフレッシュまで。

この記事は、そのリアルタイムの記録だ。特に「Claude Code とどうペアプロしたか」というメタな視点でまとめたい。

ミセバンAI とは何か

「ミセバン(店番)」—— お店を見張る AI エージェントだ。Raspberry Pi にインストールして、監視カメラの映像を AI で分析。来客数のカウント、混雑検知、異常検知をリアルタイムで行い、クラウドダッシュボードに集約する。

既存の店舗カメラシステムは高い。導入に数十万円かかる。でも Raspberry Pi(1万円台)+ ミセバンAI(今は無料)なら、中小の個人店でも AI 来客分析が使える。これが核心だ。

4
Rust crates
28
テスト全パス
3.1MB
ARM64 バイナリ
1コマンド
インストール

今日1日でやったこと、すべて

ざっと時系列で振り返ると、こんな感じだ。

朝 — Phase 1
v1.0.0 リリース
ARM64 musl 静的バイナリをビルドして GitHub Releases に公開。SHA256SUM チェックサム付き。curl -fsSL https://misebanai.com/install.sh | bash の1コマンドインストールが完成した。
午前 — Phase 2
Fly.io デプロイトラブル対応
regctl.sh のデプロイが nrt(東京)リージョンの容量不足で詰まった。ボリュームを sin(シンガポール)にフォークして primary_region を変更することで解決。
昼 — Phase 3
ブログ更新・download ページ整備
misebanai.com/download.html を全面リライト。「誰でも5分でセットアップできる」をコンセプトに、コピーボタン付きインストールコマンド、3ステップガイド、プラットフォーム別説明を整備した。
午後 — Phase 4
macOS アプリ化(.app + DMG)
「コマンドじゃなくてソフトにして」という判断のもと、Universal Binary(ARM64 + x86_64)の MisebanAI.app を作り、DMG インストーラーに仕立てた。lipo, iconutil, hdiutil, codesign を組み合わせた build-mac-app.sh を1から書いた。
夕方 — Phase 5
DNS 障害対応(api.misebanai.com)
セットアップウィザードで「クラウドAPIに接続できません」が出た。原因は api.misebanai.com の DNS レコードが未設定だったこと。Cloudflare API で A / AAAA レコードを追加し、Fly.io に TLS 証明書(Let's Encrypt)を発行して解決した。
夜 — Phase 6
ブランドリフレッシュ
アイコンを2段階で刷新。最初は「カメラアパーチャ + AI グロー」にしたが、「もっとモダンでシンプルに」という指示でビューファインダー型(外リング + 内ドット + シアンの照準線)に。ファビコンも全ページに設定した。

Claude Code との付き合い方

今日のセッションで一番面白かったのは、Claude Code をどう使うか という部分だ。

ぼくの使い方は「指示出し + 判断」に徹して、実装はほぼ全部任せる、というスタイルだ。

「コマンドじゃなくソフトにしてmacは少なくとも」
「もっとモダンでシンプルなのにしてね」
「会議をスーパーデザイナー召喚してやってそれ実行して」

こんな感じで、かなり抽象的な指示を投げる。Claude Code は「スーパーデザイナー」という比喩的な指示を受けて、実際に設計方針(Linear / Vercel / Raycast スタイル)まで含めて自分で決めて実装した。

このやり方だと、ぼくが「判断者」としてプロダクトの方向を決めつつ、実装の細部(Python で PNG を生成する方法、Universal Binary のビルドフロー、Cloudflare API の叩き方)は完全に任せられる。

今日ハマったトラブルと解決

何もかもスムーズだったわけじゃない。代表的なトラブルを3つ挙げると:

アイコンの変遷 — デザイン判断のプロセス

アイコンは今日だけで3回変わった。

M
v0: 無地インディゴ
v1: アパーチャ + グロー
v2: ビューファインダー

最終的に選んだビューファインダー型は、「カメラの照準器」という概念をそのまま幾何学で表現したものだ。インディゴの外リング、シアンの照準線、インディゴの中心点。3要素だけで「AI で何かを捉えている」というメッセージが伝わる。

このデザインの面白いところは、Claude Code が「Pythonの stdlib だけで PNG を生成する」という制約の中で実現した点だ。Pillow や外部ライブラリを一切使わず、struct, zlib, math だけで RGBA PNG をピクセル単位で描いている。

ぼくがやったこと vs Claude がやったこと

今日1日を振り返ると、役割分担はこうだった:

極端に言えば、ぼくは「何を作るか」だけを決めて、「どうやって作るか」は全部 Claude に任せた。

これがマルチプロダクト運営の新しい姿だと思っている。1人の人間が担えるプロダクト数の限界を、AI が引き上げてくれる。

次にやること

今日で基盤はできた。次のフェーズはこうだ:

もしあなたが個人店オーナーや、小売 × テクノロジーに興味があるなら、ぜひ試してほしい。今はまだ荒削りだが、方向性は間違っていないと思っている。

今すぐ試す

Raspberry Pi または Mac があれば、今日から始められます。