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前回の記事「AI経営会議の全記録」で、CEO・CFO・CTO・CPO・PM・顧客の各エージェントから出された指摘をもとに、チームとして7つの意思決定を行いました。

結論: 現行プランを大幅に修正し、「ベータ店舗5件の獲得」に全リソースを集中させる。

会議の採点結果

GO判定
2
PM・アパレル店長
条件付きGO
5
CEO・CPO 他3名
要修正
2
CFO・CTO

総合判定: 条件付きGO。致命的なブロッカー(AI推論未実装・価格設定)を解消すれば前進可能。撤退ラインはベータ5店舗で「解約率50%超 or NPS -20以下」。

7つの意思決定

1

価格を¥2,980 → ¥4,980/月に引き上げ

根拠(CFO鈴木): 現行のLTV/CACが1.8-2.4倍で健全性基準(3倍)を下回る。¥4,980にすることでLTV = ¥76,615となり、LTV/CAC = 3.0-4.0倍に改善。競合(ABEJA ¥16,000、Safie ¥6,820)との間にも適切なポジションが取れる。

具体: Starterプラン ¥4,980/月、Proプラン ¥9,800/月、年間契約20%OFF。フリープランは1カメラ・7日間データ保持に制限。

価格戦略
2

広告テスト前に「顧客インタビュー5件」を実施

根拠(CEO田中): ¥30,000の広告費を投下する前に、ターゲット顧客の「本当の痛み」を確認すべき。「来客を数えたいですか?」ではなく「経営で一番困っていることは?」を聞く。

具体: 飲食2件、小売2件、サービス業1件。各30分のオンラインまたは対面インタビュー。3人以上が「客数把握」に言及しなければポジショニングを変更する。

顧客開発
3

AI推論を2週間スプリントで実装

根拠(CTO山本): 現在の crates/ai/src/lib.rs はモックデータを返すだけで、プロダクトの中核機能が存在しない。MVPとして最低限「人物検出 + カウント」が動かなければ何も始まらない。

具体: Week 1 — YOLOv8n ONNX モデル + ort crateで推論パイプライン構築。Week 2 — APIに統合、時系列データ保存、基本ダッシュボード。

技術
4

LPから「Docker」を削除し、メッセージをリポジショニング

根拠(CPO中村 + 顧客ペルソナ佐藤): ターゲット顧客の99%はDockerを知らない。技術用語を見た瞬間に「自分向けではない」と離脱する。また「来客カウント」ではなく「経営判断サポート」にメッセージを変更する。

具体: セットアップ第一選択肢を「スマホで撮影」に変更。ヘッドコピーを「売上予測・スタッフ最適化のためのAI分析」に。ダッシュボードのモックアップを掲載。

プロダクト
5

代理店手数料を30% → 20%に。初回設置料を追加

根拠(CFO鈴木 + 顧客ペルソナ高橋): 30%の継続手数料はユニットエコノミクスを圧迫する。一方、代理店側は初回のフロー収入がないとモチベーションが維持できない。

具体: 月額手数料20%(実績ベースで25%→30%に昇格可)+ 初回設置支援料 ¥15,000(代理店の取り分)。SLA・技術サポート体制を契約書に明記。

価格戦略 パートナー
6

プライバシーポリシーテンプレートを導入店舗に提供

根拠(CEO田中 + 顧客ペルソナ渡辺): 個人情報保護法のグレーゾーンがリスク。先手を打ってプライバシー対応を差別化要素にする。また、IT導入補助金の対象になるにはSECURITY ACTION宣言が必要。

具体: 個人情報保護委員会ガイドライン準拠の「カメラ映像AI分析に関するプライバシーポリシーテンプレート」を作成。導入店舗の店頭掲示用テンプレートも提供。

法務 プロダクト
7

NSMを「週間アクティブ店舗数」に設定

根拠(PM伊藤): 「契約数」ではなく「アクティブ数」を追うことでチャーンの先行指標として使える。ダッシュボードにログインしなくなった店舗は1ヶ月以内に解約する。

具体: 計測開始はベータ5店舗確保時点。ログインイベント + LINE通知開封率でアクティブを判定。

KPI

次の30日間のスプリント計画

期間 タスク 優先度 完了条件
Week 1
2/24-3/2
顧客インタビュー 5件実施 最優先 5件完了、議事録作成
Week 1-2
2/24-3/9
YOLOv8n + ONNX Runtime 推論実装 最優先 静止画→人物BBox→カウントの一気通貫
Week 2
3/3-3/9
LP リポジショニング + Docker削除 「経営判断サポート」メッセージに変更
Week 2-3
3/3-3/16
基本ダッシュボード(日別・時間別グラフ) モックデータでUI完成
Week 3
3/10-3/16
価格改定 + 年間プラン追加 LP・料金表更新
Week 3-4
3/10-3/23
ベータ店舗 5件獲得 最優先 5店舗でエージェント稼働開始
Week 4
3/17-3/23
プライバシーポリシーテンプレート作成 法務レビュー完了、テンプレートPDF

撤退ライン

感情ではなくデータで判断するために、明確な撤退基準を設定します。

最後に

今回の「AI経営会議」は、1人で開発を進めるときに陥りがちな確証バイアスを壊すための実験でした。自分の作ったプロダクトに対して「安すぎる」「推論がゼロ」「Dockerで離脱する」と容赦なく指摘してくれるAIエージェントは、1人開発者にとって最高の「壁打ち相手」です。

指摘は痛かったですが、方向修正は早いほどコストが安い。30日後のベータ結果を、またこのブログで報告します。

会議全文は「AI経営会議の全記録」をご覧ください。この記事はClaude Code上で実行されたプロダクト会議の結果を人間がレビュー・承認したものです。