ブログ一覧へ戻る

第3回AI経営会議 — 1つのプロダクトに全ベットする時代は終わった。VCがポートフォリオを組むように、ゼロイチのフェーズでも複数プロダクトを同時に走らせる。

今回は6名のAIエージェント(元Meta AI天才エンジニア、インディーハッカー、Growth Hackerを含む)を並列起動し、それぞれに内心(独り言)まで書き出させた。忖度なし・建前なし、頭の中で考えていることまで完全公開する。

結論から言うと、「全会一致 — 条件付きGo。5プロダクト同時開発、8週間。」

目次
  1. CEO 田中 — ポートフォリオ戦略とショットガン・アプローチ
  2. 天才エンジニア 高橋(元Meta AI) — 8つのプロダクト案と選定
  3. 天才エンジニア 渡辺(インディーハッカー) — 72時間MVP方法論
  4. CTO 山本 — 共通基盤とMonorepo設計
  5. CFO 鈴木 — ポートフォリオ理論と財務分析
  6. Growth Hacker 伊藤 — バリデーション指標とトラクション戦略
  7. 最終投票 — 全員の判定

1. CEO 田中 — ポートフォリオ戦略とショットガン・アプローチ

田中 翔太(CEO)
ポートフォリオ戦略ファシリテーター
1つのプロダクトに全ベットするのはもうリスクが高すぎる。VC的なポートフォリオ思考をゼロイチのフェーズに持ち込んだらどうなるか…。日本のSaaSスタートアップの9割は「最初のプロダクトが当たらなかった」で死ぬ。当たるまでの打席数を増やす方法があるなら、それをやるべきだ。

皆さん、率直に言います。MisebanAI単体で勝負するのは戦略的にリスクが高い。今日は「同時多発プロダクトリリース」について議論します。

前提は3つです:

  1. AI開発前提 — 全プロダクトがAIをコアに持つこと
  2. 共通基盤で高速量産 — 認証・決済・分析基盤を共通化し、新プロダクトの立ち上げコストを極限まで下げる
  3. 当たったものに集中投資する「ショットガン・アプローチ」 — 5発撃って、当たった弾に全リソースを注ぐ
Y Combinatorの統計では、ピボットした企業の成功率はピボットしなかった企業より高い。でもピボットは時間がかかる。最初から5つ走らせていれば、ピボットではなく「選択と集中」になる。心理的にも「失敗」ではなく「ポートフォリオの最適化」になる。この言い換えは重要だ。チームのモチベーションに直結する。

5プロダクト同時開発、8週間タイムライン。Week 4でGo/No-Goの中間判定。Week 8で集中投資先を決定。

タイムラインの概要:

  • Week 0: 共通基盤の構築(これが完成しないと何も始まらない)
  • Week 1-4: 5プロダクトのLP作成 + MVPビルド + 初期トラクション計測
  • Week 4: Go/No-Go中間判定 — スコアカードで機械的に判断
  • Week 5-8: 上位2-3プロダクトに集中、残りはメンテナンスモードか撤退
「5つも同時にできるのか?」という疑問が出るだろう。答えは「共通基盤があれば、できる」。1つ目に2週間かかっても、2つ目以降は3日で立ち上がる。これがMonorepoの力だ。山本にここをしっかり設計してもらわないと全てが崩壊する。
判定: 5プロダクト同時開発を提案。ただし共通基盤の完成が全ての前提条件。Week 4で数字に基づく機械的判定を行う。

2. 天才エンジニア 高橋 — 8つのプロダクト案と選定

高橋 理(天才エンジニア / 元Meta AI)
AIプロダクト構想 & 技術フィージビリティ
Metaで学んだのは、1000のプロトタイプから10がA/Bテストに進み、1つだけが残るということ。日本のSaaSは最初から完成品を目指しすぎる。完成品なんて存在しない。市場が受け入れたものが「完成品」だ。だから、最初は弾をばらまくのが正しい。

8つのプロダクト案を持ってきました。それぞれのTAM(Total Addressable Market)、技術的実現性、差別化ポイントを整理しています。

5. YomuYomu — 文書要約AI

却下

「ChatGPTでよくない?」 — 差別化が困難。汎用LLMラッパーは即座にコモディティ化する。却下。

6. Voice Karte — 接客会話リアルタイムスコアリング

¥4,980/月

接客中の会話をWhisperでリアルタイム文字起こし + sentiment analysis。接客品質をスコア化し、改善ポイントを自動フィードバック。飲食・小売・美容院向け。

7. KanbanCam — 看板・サイネージAIスコアリング

¥1,480/月

看板やサイネージの写真をアップロードすると、AIが視認性・色彩バランス・文字の読みやすさをスコアリング。改善提案つき。デザイナー不要で看板を最適化。

8. SnapReceipt — レシートOCR + 仕訳自動化

¥980/月

レシートを撮影するだけでOCR + 勘定科目の自動仕訳。freee/マネーフォワード連携。個人事業主・フリーランスの確定申告の苦痛を解消。

8つ並べてみて確信した。ZenShotのTAMが桁違いに大きい。EC事業者は日本だけで数百万。しかも月額¥980は衝動買い価格帯だ。remove.bgは1枚ごとの従量課金で高い。Canvaはオーバースペック。この隙間にピッタリはまる。ただし…MisebanAIは既に存在するプロダクトだから捨てるわけにはいかない。並行で走らせるしかない。

Top 3 推薦ランキング

順位プロダクト理由TAM規模
1位ZenShotTAM最大。SMBの痛みが明確。技術的差別化が容易。月額¥980で爆発的普及が狙える数百万事業者
2位KuchiKomi Lensレビュー管理は飲食店の慢性的ペイン。複数プラットフォーム一元管理の需要は確実約60万飲食店
3位KanbanCamニッチだが競合ゼロ。看板業者・商店街との相性が良い。商工会議所ルートで営業可能約30万店舗
MenuAIも面白いが、インバウンド需要は季節変動が激しい。Voice Karteは技術的に面白いが、プライバシー問題がMisebanAI以上に厄介だ。従業員の会話を録音・分析するサービスは労働組合が黙っていない。SnapReceiptはfreeeが強すぎる。結局、ZenShot > KuchiKomi Lens > KanbanCam の3つが最も打率が高い。

最終推薦: MisebanAI(既存)+ ZenShot + KuchiKomi Lens + KanbanCam + MenuAI の5本立て。YomuYomuは却下。Voice KarteとSnapReceiptはバッチ2に回す。

判定: ZenShotを最優先に推す。TAMが桁違い。¥980/月は衝動買い価格帯で、Product-Market Fitの速度が最も速いと予測。

3. 天才エンジニア 渡辺 — 72時間MVP方法論

渡辺 勇気(天才エンジニア / インディーハッカー)
ラピッドMVP方法論 & ローンチ戦術
30個作って3個当たった。打率1割。でもその3個で年商2000万。これがインディーハッカーのリアルだ。大事なのは打率を上げることじゃない。打席数を増やすことだ。そして、コードを書く前にLPを書け。LPが刺さらないプロダクトは、コードを書いても刺さらない。

僕の方法論はシンプルです。「72時間でMVPを市場に投げる」。それだけ。

Day 1 — LPだけ作る。コードは1行も書かない。

  • Astroで1枚のLPを作る。所要時間: 4時間
  • ヒーローセクション + 3つの機能説明 + 料金 + CTAボタン
  • CTAは「無料で始める」→ ウェイトリスト登録フォーム(Google Forms or Tally)
  • Twitter/X広告を¥5,000分回す。インプレッション1万を目標
  • この日の指標: LP CVR(コンバージョン率)
「LPだけ作ってコードは書くな」と言うと、エンジニアは必ず反発する。「動くものがないのにLPだけ?詐欺じゃないか?」と。違う。ウェイトリスト登録は「興味があります」の意思表示であって、課金ではない。興味を持つ人がいない市場にプロダクトを投げるほうが、よほど時間の詐欺だ。

Day 2 — コア機能1つだけ実装。デザインは後。

  • ZenShotなら「画像アップロード → 背景除去 → ダウンロード」の1機能だけ
  • UIはTailwind UIのコピペで十分。美しさより動くことが正義
  • バックエンドはCloudflare Workers + Rembg API。15分で構築可能
  • ログイン不要。メールアドレスだけ取得して無料で使わせる

Day 3 — Product Huntに出す。Twitter/Xで「作った」と言う。

  • Product Huntの投稿を準備(英語LP必須)
  • Twitter/Xで開発過程をスレッドで公開。「72時間で作ったAIツール」系のバズを狙う
  • Hacker Newsの Show HN に投稿
  • IndieHackersコミュニティにシェア

Day 4以降 — データを見て続けるか殺すかを判断。

  • LP CVRが2%以上 → Go。機能を追加してMVPを育てる
  • LP CVRが1%以下 → Kill。即座に次のプロダクトへ移行
  • 1-2%のグレーゾーン → LPのコピーを変えてもう3日だけ試す
「打率を上げるな、打席数を増やせ」がモットー。LPファーストの原則を守れ。コードを書く前にLPのCVRが2%を超えなければ、そのプロダクトは市場が求めていない。これは残酷だが真実だ。30個作った経験から言う。LPで刺さらなかったプロダクトが、機能を追加して刺さるようになったケースは一度もない。逆に、LPだけで爆発したものは、MVPが雑でも売れる。

5プロダクト並列ビルドの具体的スケジュール

日程やること判定基準
Week 15つのLP作成 + Twitter/X広告開始各LPのCVR計測
Week 2CVR上位3つのMVP実装アクティブユーザー数
Week 3Product Hunt + SNSローンチ初速のサインアップ数
Week 4Go/No-Goスコアカード判定有料転換率
山本のMonorepo構想と組み合わせれば、Week 2の3プロダクト同時実装は十分可能だ。共通基盤で認証・決済がすでに入っていれば、各プロダクト固有のロジックだけ書けばいい。ZenShotなんてコアは背景除去API呼ぶだけだ。1日で動くプロトが出る。
判定: Go。でも最初の1週間はLPだけ。コードは書くな。LPのCVRが2%を超えたプロダクトだけにコードを書く。これが鉄則。

4. CTO 山本 — 共通基盤とMonorepo設計

山本 拓也(CTO)
共通インフラアーキテクト & Monorepo設計
5つのプロダクトを別々に作ったらメンテナンス地獄になる。5つの認証システム、5つの決済連携、5つのCI/CDパイプライン。考えただけで吐き気がする。Monorepoで共通基盤を先に作れば、新プロダクトは3日で立ち上がる。逆に言えば、共通基盤なしに5プロダクト並列は自殺行為だ。

渡辺の72時間MVP方法論は素晴らしい。ただし、それを5プロダクトで実現するには共通基盤が絶対に必要です。共通基盤なしの5プロダクト並列は技術的負債の量産工場になります。

Monorepo構成案

products/
├── common/
│   ├── common-auth/      # JWT + magic link + LINE OAuth
│   ├── common-billing/   # Stripe subscription + webhook
│   ├── common-ai/        # LLM provider abstraction (OpenAI, Anthropic, local)
│   ├── common-analytics/ # event tracking + scorecard metrics
│   └── common-server/    # Axum boilerplate + middleware + error handling
├── miseban-ai/           # 店舗カメラAI分析
├── zenshot/              # EC商品写真AI加工
├── kuchikomi-lens/       # レビュー集約 + AI返信
├── kanban-cam/           # 看板AIスコアリング
└── menu-ai/              # 多言語メニュー生成
common-authが一番重要だ。ここさえ固ければ、新プロダクトを立ち上げるときに認証周りをゼロから書く必要がない。Magic linkにしたのは、パスワード管理が面倒だから。SMBオーナーはパスワードを忘れる。メールのリンクをクリックするだけでログインできるのが一番UXが良い。LINE OAuthも必須。日本のSMBオーナーはLINEが生活線だ。

create-product.sh — 15分スキャフォールド

新プロダクトを立ち上げるスクリプトを作ります。実行すると15分で以下が自動セットアップされます:

  • Axumサーバーのボイラープレート(ヘルスチェック、CORS、エラーハンドリング済み)
  • 認証ミドルウェア(common-auth連携)
  • Stripe Subscription連携(common-billing)
  • アナリティクスイベントトラッキング(common-analytics)
  • CI/CDパイプライン(GitHub Actions: test → build → deploy)
  • Astro LP テンプレート
  • Fly.io デプロイ設定

フェーズ別タイムライン

フェーズ期間内容アウトプット
Phase 01週間共通基盤構築(auth, billing, analytics, server, AI)create-product.sh が動作する状態
Phase 14週間週1プロダクトずつビルド。LP → MVP → ローンチ5プロダクトが稼働
Phase 21週間スコアカード判定 → リソース集中Top 2-3に絞り込み
技術選定で迷っている。バックエンドはRust(Axum)で統一するのが理想だが、72時間MVPとの相性が悪い。Rustのビルド時間が遅い。…いや、共通基盤はRustで堅牢に作り、プロダクト固有のロジックが薄い場合はCloudflare Workersでサクッと作る手もある。ZenShotのコアは画像処理APIを叩くだけだから、Workerで十分。MisebanAIは推論があるからRust必須。ハイブリッドでいこう。

技術選定

  • バックエンド: Rust(Axum)for 重量級プロダクト、Cloudflare Workers for 軽量級
  • フロントエンド: Next.js for ダッシュボード、Astro for LP
  • データベース: Supabase(PostgreSQL)— 全プロダクト共通
  • AI: common-aiクレートでプロバイダ抽象化(OpenAI, Anthropic, ローカル推論)
  • デプロイ: Fly.io(Rust)+ Cloudflare Pages(LP/フロント)+ Cloudflare Workers(軽量API)

1プロダクト追加の月額コスト増はわずか¥3,100です(Fly.io追加インスタンス¥2,000 + Cloudflare Workers¥600 + ドメイン¥500/月按分)。共通基盤のおかげで、認証・決済・分析のコストは共有されます。

Phase 0を絶対に省略させてはいけない。「共通基盤なんて後でいいから早くプロダクト作ろう」という圧力が必ず来る。特に渡辺が「LPだけ先に作れ」と言うだろう。LPは確かに共通基盤なしで作れる。でもMVP実装のフェーズで共通基盤がなかったら、5つ別々に認証を実装する羽目になる。そこで1週間のロスが5倍になる。Phase 0の1週間は、後で5週間を節約するための投資だ。
判定: Go。ただしPhase 0(共通基盤構築1週間)を絶対に省略しないこと。これが崩れると5プロダクト並列は技術的負債の量産になる。

5. CFO 鈴木 — ポートフォリオ理論と財務分析

鈴木 恵(CFO)
財務ポートフォリオ理論 & 予算配分
ポートフォリオ理論をスタートアップに適用する。1プロダクトの成功率(PMFに到達する確率)を15%と仮定する。これはY Combinatorの統計に基づく数字だ。5つ同時なら、「少なくとも1つ成功する確率」は 1 - (0.85)^5 = 55.6%。1プロダクト全賭けの15%と比べて3.7倍。数学は嘘をつかない。

数字で話します。

ポートフォリオ確率計算

  • 1プロダクトの成功確率: 15%(Y Combinator統計ベース)
  • 1プロダクト全賭けの成功率: 15%
  • 5プロダクト同時の成功率: 1 - (0.85)^5 = 55.6%
  • 成功確率の向上倍率: 3.7倍

もちろん、5プロダクトの成功が完全に独立ではない(共通基盤の障害は全体に影響する)ので、実際は45-50%程度と見るのが妥当です。それでも15%の3倍。

ただし、共通基盤のコストが固定で発生する点を忘れてはいけない。Phase 0の1週間 + 共通基盤のメンテナンスコスト。これは5プロダクト全体で按分される固定費だ。1プロダクトあたりの変動費が低く抑えられるなら、ポートフォリオ戦略は財務的にも合理的だ。問題は「予算の上限」だ。

予算配分

費目金額備考
Phase 0 共通基盤¥50,000Fly.io, Supabase, ドメイン5つ, SSL
Phase 1 LP + 広告¥75,0005プロダクト × ¥15,000(LP制作 + Twitter広告)
Phase 1 MVP開発¥100,000API利用料(OpenAI, Rembg等)、追加インフラ
予備費¥75,000予想外のAPI使用量増、追加広告費
バッチ1 合計¥300,000
勝者集中投資リザーブ¥700,000Phase 2でTop 2-3に投下
トータル予算¥1,000,000

¥100万トータル。バッチ1に¥30万、勝者に¥70万をリザーブ。¥70万は「当たったプロダクトに全額投下」するための弾です。当たらなければ使わない。

1プロダクト追加の月額コスト増がたった¥3,100(山本の試算)なら、5プロダクトの月額ランニングコストは共通基盤¥9,300 + 追加4プロダクト × ¥3,100 = ¥21,700。年間¥260,400。十分に許容範囲だ。問題は広告費とAPI利用料の変動費だが、これはCVRが低いプロダクトから順に広告を止めれば制御できる。

法人化のタイミング

MRR(月次経常収益)が¥50,000を超えてから法人化で十分です。理由:

  • 合同会社設立費: ¥75,000 — 売上ゼロの段階で払うのは早い
  • 個人事業主のままでもStripeの決済は受けられる(要確認だが、日本では個人事業主でもStripe利用可能)
  • 法人口座開設に2-3週間かかる — 今始めても間に合わない
  • MRR ¥5万 = 約10-50顧客(プロダクトによる) = PMFの兆候
前回の会議ではCFO鈴木(別人格だが)が「法人設立が全ての前提条件」と言っていた。しかし、マルチプロダクト戦略では話が変わる。5つのうちどれが当たるか分からない段階で法人を作るのは早い。当たったプロダクトが決まってから、そのプロダクト名で法人化するほうが合理的だ。ブランディングの観点でも。

3つの条件

  1. 週次KPIレビュー必須 — 各プロダクトのCVR、サインアップ数、アクティブユーザー数を毎週レビュー
  2. 共通基盤を先に完成させること — Phase 0のスキップは認めない
  3. Month 3(Week 12)で集中判断を下すこと — ダラダラ5つ続けない。Top 1-2に絞る
判定: 条件付きGo。¥30万キャップ厳守。Week 4で数字が出なければ撤退。法人化はMRR ¥5万を超えてから。

6. Growth Hacker 伊藤 — バリデーション指標とトラクション戦略

伊藤 翼(Growth Hacker)
バリデーション指標 & トラクション設計
Product Huntでの初速は72時間で決まる。でも日本のSMB向けは海外メトリクスが当てはまらない。Product Huntで1位を取っても日本の飲食店オーナーは見ていない。日本はTwitter/Xが命だ。「作ってみた」系のスレッドがバズれば、1日で100人のウェイトリスト登録が取れる。逆に、Product Huntは英語圏ユーザーの獲得に使う。ZenShotは英語圏でも刺さるはずだ。

渡辺の72時間MVPと組み合わせるバリデーション指標を定義します。感覚ではなく数字で判断するためのフレームワークです。

Go/No-Goスコアカード(72時間計測)

指標Kill(撤退)グレーゾーンGo(続行)
LP CVR< 1%1-2%> 2%
週間ウェイトリスト登録< 10件10-50件> 50件
SNS言及数< 5件5-20件> 20件
有料転換率(Week 4以降)< 1%1-3%> 3%

判定ルール: 4指標のうち3つ以上がGoならGo。2つ以上がKillならKill。それ以外はグレーゾーン(LPのコピーを変えて追加3日テスト)。

この基準は厳しすぎるかもしれない。特にKanbanCamやMenuAIのようなニッチプロダクトは、ターゲット層が狭いのでLP CVR 2%は簡単に超えるが、ウェイトリスト50件は厳しい。ニッチプロダクトにはニッチ向けの基準を別途設けるべきか…。いや、ニッチでも50件集められないなら市場が小さすぎる。基準は統一する。

トラクションチャネル(日本SMB向け)

  1. Twitter/X — 開発過程をスレッドで公開。「72時間で作ったAIツール」系バズを狙う。ビルドインパブリックの文脈で毎日投稿。ハッシュタグ: #個人開発 #AIツール #作ってみた
  2. Product Hunt — 英語LP必須。ZenShotは海外展開の可能性があるため、Asia finalistのバッジを取りにいく
  3. note.com — 日本語SEO。「AI × 業務効率化」「EC 商品写真 AI」などのロングテールキーワードで記事を量産。各プロダクトのHowTo記事を5本ずつ
  4. 商工会議所 — オフラインチャネル。デモ機を持って行って実演。KanbanCamは特に相性が良い(商店街の看板改善提案に直結)
  5. LINE公式アカウント — SMBオーナーの生活線。週1で「AI活用Tips」を配信。クーポン + AI分析レポートのサンプルを添付
チャネルごとの優先度を考えると、Twitter/X > note.com > Product Hunt > 商工会議所 > LINE の順。Twitter/Xは即効性がある。note.comは3ヶ月後にSEOが効き始める。Product Huntは一発勝負だがバッジの信頼性が高い。商工会議所は時間がかかるが成約率が異常に高い(対面営業の威力)。LINE公式はナーチャリング向け。

Product Huntローンチ戦略

  • ローンチ日: 火曜朝9時(PST)= 日本時間 水曜 午前2時。火曜ローンチが最も競合が少ない
  • Maker comment: 3つ準備。(1) プロダクトの背景ストーリー (2) 技術的なこだわり (3) 今後のロードマップ
  • Hunter: 10人のHunterに事前連絡。フォロワー数1000以上のHunterをリストアップ
  • Teaser: 3日前からTwitter/Xでteaser tweet。「Coming soon on Product Hunt」の画像投稿
  • 初速: ローンチ後4時間で20 upvoteが目標。これを超えればホームページのトップ10に入る

プロダクト別チャネル戦略

プロダクト主要チャネル副チャネルバズ角度
MisebanAI商工会議所 + LINEnote.com「AIが店番してくれる」
ZenShotProduct Hunt + Twitter/XIndieHackers「remove.bgキラー、月額¥980で無制限」
KuchiKomi LensTwitter/X + note.com食べログ Advent Calendar「悪いレビューにAIが神対応」
KanbanCam商工会議所Twitter/X「看板の点数、AIがつけます」
MenuAITwitter/X + LINEインバウンド系メディア「写真撮るだけで英語メニュー完成」
ZenShotだけは海外展開の可能性がある。Product Huntで英語圏ユーザーを獲得し、Shopifyプラグインとして月額$9.99で提供すれば、日本のSMB市場に依存しないグローバルプロダクトになり得る。高橋が「TAMが桁違い」と言っていたのはこの文脈だ。もし海外で当たったら、日本向けプロダクトは全部サブに回してZenShot一本に集中する手もある。
判定: Go。ただしTwitter/Xでのバズ戦略なしにローンチするな。LP公開と同時にTwitter/Xスレッドを投下すること。SNSでの反応がゼロならプロダクト以前の問題。

7. 最終投票 — 全員の判定

6エージェント全員の最終判定を一覧にします。

田中 翔太(CEO)
最終判定
全員の意見が出揃った。驚くべきことに、方向性は一致している。「ショットガン・アプローチ」に対して誰も根本的な反対をしていない。条件の違いだけだ。これは良い兆候だ。

「条件付きGo。5プロダクト同時開発。ただし共通基盤が完成してから。」

条件付きGo — Phase 0の共通基盤完成が前提。Week 4で機械的にGo/No-Go判定。
山本 拓也(CTO)
最終判定
Phase 0さえ守ってくれれば、技術的には実現可能だ。create-product.shを完成させれば、あとは流れ作業。むしろワクワクしている。5つのプロダクトを共通基盤で回すのは、アーキテクトとして腕の見せ所だ。

「Go。ただしPhase 0を絶対に省略しないこと。」

Go — Phase 0(共通基盤1週間)のスキップは絶対に認めない。
高橋 理(天才エンジニア / 元Meta AI)
最終判定
ZenShotが当たる確率は他のプロダクトより明らかに高い。TAMの差が全てを物語っている。でもポートフォリオ戦略は正しい。ZenShotに60%の工数、残り4つで40%を分け合うくらいのウェイトが妥当だ。

「Go。ZenShotを最優先で。TAMが桁違い。」

Go — ZenShotにリソースの60%を配分すべき。当たったときのリターンが最も大きい。
渡辺 勇気(天才エンジニア / インディーハッカー)
最終判定
やっぱりLPファーストだ。これだけは譲れない。全員が「共通基盤が先」と言っているが、LPは共通基盤なしで作れる。Astroテンプレート + Tally.soのフォームで十分だ。Phase 0と並行してLPは先に出す。データは早く取れるほうがいい。

「Go!でも最初の1週間はLPだけ。コードは書くな。」

Go — Phase 0と並行して5つのLPを公開。コードを書く前にCVRデータを取得開始。
鈴木 恵(CFO)
最終判定
¥30万キャップ。これだけは動かさない。¥70万のリザーブは「当たったプロダクト」だけに投下する。全部ダメだったら¥70万は手元に残る。それがポートフォリオのリスク管理だ。最悪のシナリオでも¥30万の損失で済む。人件費を除けば、¥30万は3ヶ月分のランウェイでしかない。

「条件付きGo。¥30万キャップ厳守。Week 4で数字が出なければ撤退。」

条件付きGo — バッチ1予算¥30万厳守。KPI未達プロダクトは即撤退。
伊藤 翼(Growth Hacker)
最終判定
Twitter/Xでの反応がゼロだったら、プロダクト以前にメッセージングの問題だ。5つのLPを出すということは、5つのバリュープロポジションを同時にテストするということ。そのうち1つでもバズれば、そこに全トラフィックを誘導する。これがGrowth Hackingの本質だ。

「Go。ただしTwitter/Xでのバズ戦略なしにローンチするな。」

条件付きGo — 各プロダクトのLP公開時にTwitter/Xスレッド投下必須。SNS反応ゼロなら根本的に見直し。

全体サマリー

全会一致 — 条件付きGo。5プロダクト同時開発、8週間。

6エージェント全員が「Go」。ただし全員が条件を付けた。条件を統合すると、以下の5つに集約される。

5つの必須条件

  1. Phase 0(共通基盤)を省略しない — CTO山本の鉄則。create-product.shが動く状態にしてから各プロダクトのビルドに入る
  2. LPファースト — 渡辺の72時間MVP方法論。コードを書く前にLPのCVRを計測。Phase 0と並行してLPは先行公開
  3. ¥30万キャップ — CFO鈴木の予算管理。バッチ1は¥30万以内。勝者に¥70万をリザーブ
  4. Week 4で機械的判定 — スコアカードのKill/Go基準に従う。感情で判断しない
  5. Twitter/X戦略必須 — 伊藤のGrowth戦略。LP公開と同時にSNS展開。バズなきローンチは禁止

5プロダクト一覧(優先順)

  1. ZenShot — EC商品写真AI加工(¥980/月)★ 最優先
  2. MisebanAI — 店舗カメラAI分析(¥4,980/月)既存
  3. KuchiKomi Lens — レビュー集約 + AI返信(¥2,980/月)
  4. KanbanCam — 看板AIスコアリング(¥1,480/月)
  5. MenuAI — 多言語メニュー自動生成(¥1,980/月)

8週間タイムライン

「打率を上げるな、打席数を増やせ」 — 渡辺 勇気

次の記事では、この会議の結論を具体的なアクションアイテムとWeek 0の実行計画に落とし込みます。

次の記事: マルチプロダクト判定のサマリーと行動計画 →