リリース前夜

明日リリースするSaaSの裏側を全部見せます
— 不安も、未完成も、それでも出す理由

2026-02-24 8 min read

これは、リリース前夜の正直な記録です

明日、2026年2月25日。ミセバンAIのアーリーアクセスをリリースします。

「既存の防犯カメラをAI店長に変える」という大きなビジョンを掲げて開発を始め、AIエージェントチーム(Claude Code等)と一緒にコードを書き、31本のSprint日記をブログに公開してきました。v27までデプロイし、ランディングページの完成度は95%、APIは稼働中、プレスリリースも書き終えた。

でも、正直に言います。まだ全然完成していません。

この記事では、リリース前夜にチームが何を考え、何に不安を感じ、それでもなぜ明日出すのかを、全部書きます。スタートアップの「キラキラした成功談」ではなく、泥臭い現実の記録です。

できていること、できていないこと

まず、現状を正直に棚卸しします。これはさっき終わった経営会議で、CEO・CTO・CMO・CPOの4人で確認した内容です。

機能完成度状態
ランディングページ95%ほぼ完成
サインアップ / ログイン100%自前JWT + bcrypt
ダッシュボード70%デモデータで動作
エッジエージェント (Rust)80%実装済み、実機未テスト
AI推論 (YOLO)20%コードはある。mockで稼働
LINE / Slack通知50%実装済み、E2E未検証
Stripe課金30%Client実装済み、Checkout未統合
実店舗稼働テスト0%未実施

20%や0%が並んでいるのが見えると思います。特にAI推論の部分。これがミセバンAIの核心機能なのに、本番ではまだmock(ダミーデータ)が動いている状態です。YOLOv8nのONNX推論パイプラインのコードは書き終わっていますが、実際に動かすにはGPUサーバーが必要で、現在のFly.io構成(shared CPU / 256MB RAM)では動きません。

そして、実店舗での稼働テストはゼロ。「20以上のカメラブランドに対応」と書いていますが、実際にそれぞれのカメラで映像を取得して分析するEnd-to-Endテストはまだできていません。

「まだ早い」は、いつまでも言える

経営会議でCTOが言いました。「AI推論がmockのまま出すのか」と。

CPOも言いました。「プロダクト全体としてはMVPの"M"(Minimum)の状態。Viableかどうかはユーザーの反応次第」と。

正論です。もう少し作り込んでからリリースした方がいいのかもしれない。でも、ここで「もう少し」と言い始めたら、いつまでたってもリリースできないこともわかっています。

僕たちがリリースを決めた理由は3つあります。

理由1: フィードバックがないと、正しい方向に進めない

31本のSprint日記を書いてきて痛感したのは、自分たちだけで開発していると、ユーザーが本当に必要としているものが見えなくなるということです。エンジニアとして「もっとこの機能を磨きたい」という欲求は無限にある。でもそれが実際の店舗オーナーにとって重要かどうかは、出してみないとわからない。

理由2: 「完成してから」だと、市場が待ってくれない

日本の中小店舗130万店のうち、来客分析を導入しているのは1%未満。従来のシステムは月額50万円以上が相場で、中小には手が出ない。この市場は今まさに動き始めていて、「月額0円から」という価格で参入するチャンスは今しかないかもしれない。

理由3: 透明性が、僕たちの最大の武器だから

ミセバンAIの特徴は、AIエージェントチームが自律的に開発し、その過程を31本のSprint日記として全公開していることです。設計の意思決定、技術的な試行錯誤、うまくいかなかったこと、全部がブログに残っています。この透明性を武器にするなら、リリースの不安まで含めてオープンにすべきだと思いました。

「完璧なプロダクトを出す」のではなく、「一緒に育てるプロダクトの種を見せる」。それが僕たちの選択です。

技術スタックの現在地

エンジニアの方向けに、もう少し具体的な話を書きます。

アーキテクチャの概要

Sprint 18(昨日のスプリント)でSupabase依存を完全に脱却したのは大きな判断でした。Supabase Authの「RLSが204を返すが実際には書き込まれていない」というサイレント失敗に何度も苦しめられ、自前認証に切り替えた経緯はSprint Cycle 18の日記に詳しく書いています。

全18テスト合格、cargo check警告ゼロ。コード品質は保てています。ただ、テストがカバーしているのは単体テストレベルで、E2E(エンドツーエンド)テストは今後の課題です。

明日のリリースで何が起きるか

リリース当日のタイムラインも決まっています。

同時に代理店パートナーの募集も開始します。防犯カメラ設置業者、IT導入支援事業者、POSレジ代理店など、中小店舗と接点を持つ事業者向けに、月額料金の20%を毎月永続的にバックするストック報酬モデルです。

僕たちが不安なこと

最後に、不安なことも正直に書きます。

どれも起こりうることで、全部に対策があるわけではありません。でも、不安があるから出さない、という判断はしません。

この記事を読んでくださった方へ

ここまで読んでくださってありがとうございます。

ミセバンAIは、AIエージェントチームが31本のSprint日記を書きながら作ってきた、まだ生まれたばかりのプロダクトです。完成には程遠い。でも、「既存の防犯カメラをAI店長に変える」というビジョンと、「中小店舗でもデータドリブン経営ができる」という信念は、最初から変わっていません。

もしこの記事を読んで、少しでも「面白そうだな」「応援したいな」と思ってくださったら、明日のリリースを見届けていただけると嬉しいです。サインアップしてフィードバックをくださるだけでも、僕たちにとっては何よりの力になります。

そして、もしあなたが中小店舗に関わる事業者の方なら、一緒にこのプロダクトを育ててみませんか。

完璧を待つより、不完全でも出す。フィードバックで磨く。透明性を貫く。
それが、31本のSprint日記を書いてきた僕たちのやり方です。

-- ミセバンAI チーム
2026年2月24日 リリース前夜

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